!

Nov 21 Sat. 2020

内部通報はこうなる

光電話 (3420596264).jpg

内部通報するとどうなるかがわかる動画

オリンパス 濱田正晴 内部通報

  • 2:10 通報時の顛末
    • コンプライアンス室からのメールの Cc: に部長(上司にバレる)。
    • 「もう愕然」「ありえない」-> コンプライス室長は必死で謝る。
    • 米国を経験している。営業成績トップ。帰国後も営業リーダー。
      優秀社員であるが通報の2ヶ月後に配置転換。
      • 「新規事業創生探索活動」という・・・無意味な仕事。延々と。
      • いわば「組織的隔離」。会議にも呼ばれず。仲間外れ。
    • 裁判(配転無効や慰謝料など訴え)一審は敗訴。
      • 「公益通報者保護法およびそれにより作られた社会制度に
        従って行動したつもり。大変残念。」
      • 控訴して逆転勝訴。しかし、不当な扱いは続いた。
  • 6:20 内部告発と内部通報の違い
    • 内部告発: 外部のマスコミなどへの通報
    • 内部通報: 内部のコンプライアンス室などへの通報
  • 6:55 旧保護法(2006.04 施行)の現実
    • 以下のように保護される対象は狭く保護の仕方も甘い。
      • 適用されるのは「労働者」。
        (中間管理職や役員は含まれない?)
      • 法律違反行為についての通報であること。
        (倫理違反であれば含まれない?)
      • 不正に利益を求める目的や、他人に損害を加える目的は除く。
        (別途法律があるから?)
      • 通報先は 「事業者内部」「監督官庁や警察など」
        「マスコミ・消費者団体など」。(なぜか限定されている?)
      • 違反した企業などに対する罰則ナシ。
        (損害賠償請求など民事訴訟しか道がない?)
  • 7:38 報復内容
    • 仕事用携帯は没収
    • 他部署・取引先との接触禁止
    • 同僚と話せなくなる
    • 人事評価もガタ落ち
    • 「濱田くん教育計画」
      (なんやこれ|ノリがブラック企業やないかい)
  • 8:47 よくあることなのか
    • 弁護士会 内部通報 内部告発 相談窓口 設けている。
    • 非常に多い相談の中で、裁判にまで至るのはレアケース。
      水面下ではあっちの会社でもこっちの会社でも
      似たようなことは起こっていると思う(中村 雅人 弁護士)。
  • 9:35 コンプライアンス室は通報者を守ってはくれなかった。
    • 当初しきりに謝ってくれていたコンプライアンス室長だが、
      裁判となると「本人は無断漏洩を承諾していた」と証言した。
  • 11:18 逆転の決め手
    • 一審の相手型も弁護士。それなりのストーリーは作っている。
    • ただ濱田氏の身の回りに起きたこととそれとはやはり違っていた。
      (控訴審裁判官は濱田氏側の現実を見てくれていた)
    • 通報したことによって不利益を受けたことの因果関係の立証が必要。
      それを立証するため一審よりもさらに細かく時系列を調べていった。
      (隙間を埋める証拠をつぎつぎ濱田氏に求めながら)。
    • 罰則が認められた「上司」・・・
      濱田氏にハラスメント行為を行っていた複数名の上司(個人)。
  • 13:03 会社を辞めようとは思わなかった。理由は愛社精神。
    • 数々の嫌がらせを受けて嫌いになっちゃいそうだがならなかった。
    • 周囲から応援してくれる人は2人いた(いまはもういない)。
    • 心の中でそう思ってくれる人はたくさんいたと思うが、
      裁判で立証してくれるとか、隔離された時も食事を共にするなど、
      してくれたのはその2人だった。まさにドラマだ。
    • その2人も二次的な嫌がらせを受けていると本人たちから聞いた。
  • 経営目線
    • 夏野「改善してきている」<= おそらく役所の答弁をなぞっている
      • 2013年頃以降コンプライアンス関係の環境は劇的に変化している。
      • 内部告発はいまやほとんどが取締役会レベルにまで上がる。
      • 上場企業には社外取締役が義務付けられている。
        社外取締役は社内にこうした事案のあることを最も危惧する。
      • 会社側にとって裁判になって良いことはほどんどない。
        不正事実自体が明るみに出て、ブランドイメージも毀損する。
        新卒採用にも影響が出てくる。
    • 中村「まだまだ変わっていない」<= たぶん事実
      • 大企業の不祥事がいくらでもあり10年も20年も続いている。
        まだこれが日本の現状だと思う。
      • 会社側はたくさん資料を持っていて、従業員側は少ない。
        そういうハンデの中で裁判をやらないといけない。
      • まちがった通報をした人は守られたりしていない。
    • 制度拡充に伴う逆効果
      • 従業員は真実と思っていても実はそうではない場合も沢山ある。
        (まちがった通報をしたりした人は守られたりしていない)。
      • 故意に相手を貶めることもできてしまう。
        (事実確認のため今どこの会社も要員を増やしている)(夏野)
      • 会社側は「いじめてない」「不正事実もない」
        両面で争うことができる(ほとんどそういう争い方をしてくる)。
  • 改正公益通報者保護法
    • 改正内容
      • 従業員300人を超える企業に
        通報を受け付ける体制の整備を義務化。
        窓口の設置や調査・是正措置を取るよう求める。
        (300人以下は努力義務)
      • 通報窓口担当者に刑事罰(30万円以下の罰金)付きの守秘義務。
        (通報者が不利益な扱いを受けた場合の罰則などは導入されず)
      • 役員や退職後1年以内の人も保護の対象。
    • 評価
      • 罰則付きの守秘義務に一定の評価(濱田)。
      • 因果関係の立証が(証拠量のハンデもあり)非常に難しいので、
        立証責任を通報者側から会社側に転換してもらいたかった。
        韓国では退職後2年以内の不利益取扱は会社側原因と推定する。
      • 不利益取扱をおこなった人に対する何らかのペナルティが必要。
        濱田氏の裁判で最高裁判決が出ても、ハラスメント上司は何の
        ペナルティもないので平然としている。
        少なくとも行政措置が必要。
        • -> 以上考えれば1勝2敗(中村)。
      • 300人以上の企業が対象とされたことについて
        • ゆるゆるである。日本の企業は90%以上が中小企業。
        • 欧州なんかは50で切っている(中村)。
      • アメリカでは報償金制度もある
        • やるべき。世の中の不正を暴きやすくしている。
          実際に告発も増えている。(中村)
        • 不正の告発が非常に増え国家に税金や罰金もたくさん入り、
          儲かっているから還元している。