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Dec 10 Thu. 2020

松永安左ェ門

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戦後しばらくの状況

  • 励ます松永
    • 「日本には世界も羨む水力資源がある」
      日発副総裁 進藤武左衛門 を励ましていた。
  • S24.05 GHQ お手上げ
    • E.J.パーカーを委員長とする5人の委員では結論出ず。
      (あまりにもむずかしすぎた)
  • 前身の審議会
    • 民主党+社会党連立 片山内閣 GHQの要望
    • 東京大学工学部長 大山松次郎博士を委員長とする21名の委員。
    • 社会主義内閣が自由企業体の電力再編成を議論しても、
      国家管理の日本発送電会社存置方式の、
      当たらず触らずの答案しか出ず。
    • 委員の多数は政府の統制と助成金に多大の依頼心を寄せるものばかり。
      自主的な案は立てようもなくついに倒閣の日まで何も出ず。

電気事業再編成審議会

  • S24.12 発足
  • メンバー
    • 松永安左ェ門(委員長)
    • 三鬼隆(副委員長)
    • 水野成夫
    • 工藤昭四郎
    • 小池隆一
  • 松永は気づいた。
    • 「自立する」=>「事業を統制のワクに入れて安全をはかる」
      考え方の変化。それが「進歩的である」= 戦後派。
    • 「電力事業を一つの企業とみようというもの」
      「税金によってまかなうべきであるとするもの」
      相入れない考え方の違いがあった。
  • 松永の決心「戦うしかない」
    • 喧嘩好きの松永に冷静を強いるのは「鬼に行儀を仕込む」ようなもの。
    • 三鬼は三鬼でこの時代離れした化け物は「退治するしかない」と考え。

罵倒語の節々に見え隠れする松永の考え

  • 「あのぐうたらで、大臣にしてもらったのを鬼の首でもとったように
    有難がるような、あんなあほうなしろものとわしはちょっと違うつもり。」
    (三鬼の先輩の平生釟三郎翁が話題に出たとき)
  • 事務方を追い払う
    • 「君らは用があるときは呼ぶから来ないでくれ。
      だいたい君らは機械じゃないか。
      機械の方が案を出すなんてことがあるものか。」
      (役人で事務局長の小室恒夫が気を利かせて案を持ち込んだとき)
    • 「ですが、前の委員会の時は活発に議論しました。」
      「だからまちがってしまうんだ。お前らが委員会を雇ったと
      思っているところにまちがいが起こる。」
    • (このあとしつこいので退場を命じる)
      「そんな馬鹿な!」「馬鹿、出ていけ!」
    • 「ほかのことはともかく、少なくとも私は事務局長です。小僧とは
      なにごとですか」「口惜しかったらわしより年をとってみろ」
  • 審議会が進まない
    • 「委員長はなぜ議事を進めないのか」
    • 「いや、君たちの意見は結局前の委員会の時とちっとも変わらんでは
      ないか。つまるところ、君たちには電気のことはわからない。
      大体の骨子を作るまではだまっていたまえ。」
    • 「二年や三年、委員をやっても電気のことはわからない。」
    • 「交渉の目鼻のつくまで邪魔をしてくれるな。」
    • 「頼むから審議会をしばらく休んでくれ。」
    • 「それは無茶だ。」
      「そんなことはない。
      気に入らなければ君たちはやめたまえ。私一人でやる。」
    • 「理屈はどうでもよい。
      ゴルフをやらん人に、ゴルフのことはわからない。
      これは電気の問題だ。電気以外に問題はない。
      玄人のわしがやっている。素人はだまっていたまえ。」
      • 委員を敵に回し孤立していく|独善横暴との声。
  • 追放解除を要求
    • 「私は世の中へ浦島太郎のように帰ってきてみると、
      あまりにみじめな変わりかたにびっくりした。
      一つは財界の追放によって、
      根こそぎ人材がとられてしまったことだ。
      再編成をするにしても、この追放解除が前提である。」
      • GHQ を敵に回す。
  • 片輪者
    • 「統制経済の罪悪は、経営者をして耳だけを持たせ、
      目も口も持たせない片輪者にしている。」
    • 「つねられてはじめて痛いといい、まるで自主性がない。」
    • 「それどころか、しまいには、つねられても痛いと
      いってはいかんという性格を要請されつつあり、
      この石頭をやぶらなければ世の中はよくならぬ。
      この馬鹿ものぞろいめが。」
      • 産業団体等に立てこもって自信満々たる新支配層を敵に回す。
  • 中堅の連中
    • 「長いこと統制になれたためか、
      中堅の東京、大阪の経済の巨頭連中が、
      自分でやっていこうという精神がなくなっているのには驚く。」
    • 「もうこういう連中は御免を蒙って、抹殺して、
      ごく年取った八十ぐらいと、若い三十ぐらいのものとが組み合って、
      ここしばらくは共に戦うよりほかないと思う。」
    • 「彼らはちょっとでも負けると、あなたは時世に遅れているといって、
      問題の本質をごまかしてしまう。」
      • 東京につづき大阪も敵に回す。
  • 奇形児
    • 「今の電力事業は観念的統制のために、全国一つの発送電会社と、
      煙草の専売所に似たような計算をプールされた九つの配電会社と
      からなり、
      電力事業はその一貫性と、独立採算の自主自営の責任体制が破壊され、
      奇形児となっている。」
    • 「日本復興の原動力として先行すべき電力事業が
      近代性、合理性、公益性を失ってしまっているではないか。」
    • 「この奇形児を組みかえて、
      また奇形児を作るというような馬鹿なことができるか。
      国家百年の大計のために、”親方日の丸” のすねかじりや、
      権利主義をうちやぶらなくてどうするのか。
      まして自分の手柄のためにやるやつがどこにある。
      日本のためになるか、ならぬかが目標だ。」
      • 戦前の体制をこしらえ上げた連中を完全に敵に回す。