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Jan 05 Tue. 2021

デジタル庁

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政府はまたこうやってマスコミを操っている

2021-01-05 Tue.

デジタル庁、課題は人材 民間との「回転扉」普及進むか - 日経新聞

  • 記事内 Code for Japan の 関治之 氏が「やりがい搾取」を心配されている。
    だが小生は関氏が心配しているのも心配すべきなのも、
    「やりがい搾取」などでは断じてないとほぼ確信している。
    • これを「やりがい搾取」などと報じたのは、
      政府の欺瞞であり日経の怠慢である。
  • 「やりがい搾取」とは、Wikipedia によれば、本田由紀氏の造語で、
    労働者にやりがいを強く意識させることで劣悪な労働条件を我慢させる、
    つまり、労働条件の取引材料として「やりがい」を引っ張り出してくる
    という、雇い入れ側のやり方のことだそうだ。
  • 実際、非正規労働で「報われない〜」と感じることはあるし、
    非接触確認アプリをめぐるこのあいだの政府とオープンソース開発者との
    ひと悶着で、その開発者も「報われない〜」と感じただろう。
    だがこの感情、小生には決して「やりがい搾取」などという、
    生半可な代物ではない気がするのである。
  • それは「プロジェクトへ参画した(または参画を決意した)主要な原因を
    参画後に奪われる」という体験であったはずだからである。
    それがなければ参画などしていないにもかかわらず、
    いやむしろだからこそ、参画前にはそれが「あるように見せかけ」、
    参画後にそれをなくすというやり方をされてしまうという経験である。
  • 非正規の辛さは、昇給やスキルアップなどがあるように見せかけておいて、
    実際入ってみるとそんなものは全くなかったという体験に尽きる。
    つまりそれは、騙された!という、やり場のない嘆きなのだ。
    • 待遇面云々はむしろ書面で確認するからまだ誤解は少ない。
    • もちろんそれすら、嘘を書いたり、勝手に改悪したり、
      労働基準法を割り込む水準を堂々と提示ししかもそのまま実施している
      会社もある。
  • アニメのプロダクションも、おそらくそんなようなものである。
  • 非接触確認アプリもそうで、開発者はこれが世に出ることによって、
    賞賛を浴びるということを期待したに違いない。ところが実際には、
    ここが悪いあそこを直せと政府にさんざんダメ出しをされた挙句に、
    政府の成果物であるかのようにして世の中にリリースされてしまったのだ。
  • 政府は、台湾のデジタル化やコロナ対策での成果をもってモデルにする
    つもりかもしれないが、こうした根本的なところを取り入れるつもりが
    ないのならば、形だけにとどまってしまう可能性が非常に高い。
    だからこそ、応募を検討する側も非常に警戒していると思う。
  • デジタル庁の人材募集が1月4日から始まったとのことだが、
    応募者が警戒しているのはやはり「やりがい搾取」などというような、
    生易しいものでは決してなく、公言されていた話が、実際入ってみると
    ちがうという、「騙され」に遭うことなのではないかと私は思う。
    • 人々が公然とは言いにくい空気へと持ち込む技術は、
      中央官僚の基本的なスキルセットの一つである。
    • こんどの件も実のところうまく騙して民間人材を引き寄せ、
      丸め込んだ上で言い逃れをするというシナリオを、中央官僚は、
      間違いなく心のどこかに逃げ道として数%程度持っているはずで、
      だからこそ、「やりがい搾取」などという新語を持ち出し、
      先手を打って論点をそちらに誘導しようとしているのだ。